PR

光線療法とは?効果や歴史について。

記事内に広告が含まれています。

地球上の生物にとって大切なものの一つが太陽光です。

植物は太陽光を浴びることにより光合成を行い生命の維持に必要な栄養素を作り出していますよね?

太陽光は他の動物にとっても大切なものです。

私達ヒトも太陽光を浴びることによりビタミンDを生成していることは有名な話ですよね?

 

光線療法はこの太陽光を人工的に作り出す器械を使用していつでもどこでも日光浴をすることができるようにした療法です。

太陽光を浴びることにより、温熱効果で患部を温め血の巡りを良くするだけじゃなく、太陽光に含まれる紫外線や赤外線が皮膚表層に当たることにより様々な化学物質が生成されることもわかっております。

これらの恩恵を余すこと無く、効率よく受け取る方法が『光線療法』です。

光線療法の歴史

人工的に太陽光線に近似した光を放射する人工光線治療器は、1893年にニールス・フィンゼンにより考案されました。

彼はこの光線治療法で尋常性狼瘡という病気の治療に貢献し、ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
光線療法は歴史の長い治療法であり、ノーベル賞を受賞するほどの功績をあげた、医学的にも科学的にも認められた療法なのです。

太陽光線と同じ波長を含む光線(連続スペクトル光線)を人工的に発生させるためには、カーボン棒をスパークさせて発行させるアーク放電という現象を利用する他ありませんでした。
電球などやネオン管などでは太陽光と同じ光を放射することはできなかったのです。

このアーク放電により光を発生させる機構を考案したのがニールス・フィンゼンでした。
カーボンアーク灯(フィンゼン灯)を考案し、それまでは不治の病と言われていた尋常性狼瘡(結核菌が皮膚を侵す病気)を専門的に扱う病院をオーストリアに開院し、光線療法を用いて良い治療効果を収めました。

彼はデンマーク人で最初のノーベル賞受賞者でもありますよ。

 

また歴史上有名な話では「くる病」という病気があります。日本では大昔には「せむし」などと差別的に呼ばれていたときもありましたね。

長らく「くる病」の原因がわからず、かなりの犠牲者がでていました。

ところが1912年にフランスのラクツィンスキーが実験的に日光浴不足で「くる病」が起きるのではないかと考え、実験的に光線療法を施した結果、くる病が改善しました。
くる病が日光浴不足、はてはビタミンD不足から起きる病気であるとつきとめる足がかりになったのです。(この時はまだビタミンDの存在はわかっていません。)

1919年にはベルリンのクルト・ハルトシンスキーが太陽光に含まれる目に見えない紫外線がくる病を治す仕組みを発見しています。

ビタミンDと日光の紫外線の関係がわかってきたのは1938年です。
この歳にドイツのアドルフウィンダスが紫外線によって皮膚下の【7-デヒトロコレステロール】が光合成されることによって、ビタミンD3に変わることを発見し、その化学式を解明しました。
この功績により、アドルフウィンダスはノーベル化学賞を受賞しています。

 

病院でも光線療法が使われています!

実は現在の医療現場でも光線療法が使われているんですよ!

それが「新生児重症黄疸」という病気です。

黄疸とは皮膚が黄色くなっている状態で、赤血球の中に含まれているビリルビンという成分の色です。
新生児は血液が濃いために多くの血球が壊れるとビリルビンが放出されます。
日常的に赤血球の一部は壊され、ビリルビンが放出されますが、それは肝臓で手を加えられて胆汁になったり、再吸収されたりしています。
この処理が追いつかないほどビリルビンが放出されると肌が全体的に黄色くなってきます。

打撲をして紫色に変色した後、回復してくると黄色い跡が残りますよね?
あの色がビリルビンの色ですよ。

そのビリルビンが新生児の体内で過剰に多くなってしまいますと脳にダメージが言っていしまうことがあります。
このような異常にビリルビンが多くなり黄疸が出てしまった状態を「新生児重症黄疸」といいます。

 

そして、この黄疸(ビリルビン)の分解に光線がよく働くことがわかっています。

コウケントーやサナモア光線のようなカーボンアーク灯で光線を当てるわけではないのですが、可視光線がビリルビン分解に効果的だということがわかっていますので、保育器などに蛍光灯のようなもので可視光線を当てるようにしています。
これも立派な光線治療ですね。

 

ですので、打撲の回復に光線療法が効果的です。
光線には消炎鎮痛効果もありますし、紫色から黄色に変色した時はビリルビンの色ですので、可視光線で分解が早まります。
患部の痛みの改善だけでなく、色も早く分解されますよ。

 

日本で最初に光線療法を活用したのは?

日本で初めて人工光線を医療に応用したのは東大皮膚科の土肥慶造博士だと言われています。

1908年にフィンゼン灯を小型に改良したカーボンアーク灯(フィンゼンライン灯)を使って、皮膚病の治療を行っています。

当時は病気を身体全体として捉える治療方針が多かったようで、専門の光線療法病院も数多く建設されて、病気を治す効果的な手段として幅広く活用されていたようです。

 

昭和2年には黒田保次郎氏が千葉県佐原に光線治療室を開設し、光線治療を開始しています。
昭和7年に東京都中央区に財団法人光線研究所(コウケントー)の前身である光線治療研究所を開設し、光線治療の研究を進めて行きました。

 

国産初の光線治療器は昭和7年に宇都宮義真博士がイビデン株式会社(当時のイビガワ電工)と研究開発を行い作成しました。
その後の度重なる研究開発によりカーボンの燃焼制御をコンピューター化することにより誰でも簡単に光線治療が行えるようになりました。それがサナモア光線治療機ですね。

 

光線療法の作用・効果は?

Jill WellingtonによるPixabayからの画像

太陽のめぐみである日光浴、そしてそれをいつでもどこでも浴びれる光線治療器(カーボンアーク灯)を利用した光線療法では様々な作用が確認されています。

大きく上げると、

  • 光化学作用
  • 血液循環の改善作用
  • 生体リズムの調整作用
  • 鎮痛・消炎(腫脹吸収)
  • 免疫増強作用
  • 肉芽形成作用
  • 殺菌作用
  • 解毒作用
  • コレステロール低下作用
  • 消痒作用
  • 利尿作用
  • 筋力・運動機能向上作用
  • 呼吸機能改善
  • 神経機能改善
  • 睡眠改善
  • 食欲・便通改善

 

が確認されています。

光化学作用

https://www.irasutoya.com/2020/05/blog-post_422.html

皆さんご存知のように、日光浴をすることでビタミンDが体内で合成されます。

干し椎茸などのビタミンDを多く含む食品を食べても日光浴をしないと体内で使えるビタミンDにはならないという話も聞いたことがあるかと思います。

この日光を浴びることで体内で化学物質が変化することを光化学作用と言います。

 

現在わかっているだけでも、皮膚が近紫外線や波長の短い可視光線を吸収すると光化学作用で50種類以上の物質が産生されます。
この物質が身体の様々な期間をコントロールしています。
その中でも有名なのが先程から話題に出ているビタミンDです。

ビタミンDには、

  • 骨の強化
  • 生活習慣病、アレルギー疾患の治療と予防
  • 角化細胞の増殖抑制
  • 発がん抑制
  • インスリン分泌の調節

などの作用がわかっていますよね。

その他にも炎症を抑える物質や痛みを抑える物質なども産生されることが確認されているようですよ。

 

血液循環の改善作用

https://www.irasutoya.com/2014/05/blog-post_7167.html

太陽光に含まれる僅かな近紫外線には血管を拡張させる作用があることがわかっています。

また可視光線や近赤外線には身体を温めて血液循環を改善する作用があります。
冷えや過労、ストレスなどで緊張した交感神経を緩め副交感神経の働きが高まり、より血管を拡張させて血液循環を改善してくれます。

また光線療法では照射する場所を選べるため、普段血行が悪くなりやすい下肢(ふくらはぎや足裏)に照射することで、血液を末端まで集めることができます。
結果的に全身くまなく血液が循環するようになりますね。

 

生体リズムの調整作用

生体リズムの乱れは体調や精神に悪影響が出ると聞いたことがあるかと思います。

起床したら強い光(日光など)を瞼を閉じた状態で浴びると生体リズムが整い、自律神経のバランスも整うともいわれますね。

光線療法では太陽光と同じような強い光を発生させるのでこの生体リズムの調整も行われます。

瞼を閉じて(決して直接光線を見ては行けません!)可視光線を多めにしたカーボンを使い、光線を浴びることでこの生体リズムの調整も期待できますよ。

 

鎮痛・消炎(腫脹吸収)

https://www.irasutoya.com/2013/08/blog-post_9816.html

日光浴や光線療法には、収縮した血管を拡張し、緊張した筋肉を緩め、温熱作用もあり、患部の血行を改善します。
血行が良くなることで、痛みの原因となる発痛物質のプロスタグランジンやヒスタミン、ブラジキニンなどを速やかに除去し、また患部に新鮮な血液が回るようになりますので、酸素と栄養がいきわたりますので痛みの緩和に有効です。
一般に捻挫など痛めてすぐの時は冷やすことと言われますが、光線は当てたほうが予後が良いことが多いです。
日光や光線には強い抗炎症作用があるので患部の炎症が抑えられるからですね。

 

免疫増強作用

日光や光線療法には免疫を高める作用もあります。
一般に体温が高いほうが免疫は働きやすくなります。
外部から身体を温めた場合でも免疫は働きやすくなりますね。

光線療法には血行を促進する作用に、赤外線による深部温熱作用も相まって身体をぽかぽかと温めてくれます。
また光化学作用によって皮膚で産生された物質も様々な場面で働いてくれます。
それらのことで免疫を正常な状態へと調整してくれるのです。

 

肉芽形成作用

傷口への光線療法は、まず血行を促進することにより、患部の炎症物質や老廃物の除去を速やかに行いますし、新鮮な血液が循環することで栄養や酸素が供給されるようになります。
傷を治す材料がしっかりと運ばれてくるようになりますので回復がスムーズになるわけですね。

その上、光線に含まれる赤色の光が肉芽形成を担当する線維芽細胞の増殖を促す作用がありますので、より活発に傷口の回復をすすめます。

 

殺菌作用

昔から日光消毒ということで、殺菌したいものを天日干しすることがありましたよね。

主に紫外線の作用ですが、日光には殺菌作用があります。
もちろん光線療法でも紫外線を含んでいますので殺菌効果が期待できます。

傷口やデキモノなど皮膚病患部に照射することで殺菌効果を期待できます。
また水虫や風邪や気管支炎などの細菌感染症の治療や予防にも有効です。

風邪をひいて喉が痛いときには#3000のカーボンを使い、口を大きく開けて喉奥に光線をかけています。かなり楽になりますし、痛み始めてすぐに光線をかけるとそのまま風邪が落ち着くことが多いですよ。

 

解毒作用

https://www.irasutoya.com/2013/08/blog-post_3128.html

日光には利尿作用があります。
もちろん光線療法でも利尿作用が期待できます。
解毒において体内で主に働くのは腎臓と肝臓です。

体内にある毒素は腎臓で濾し取って尿として排出します。
またそのまま排出することが難しい毒素は肝臓で分解してから排出します。

光線療法では光化学作用で内蔵の働きが助けられるだけじゃなく、温熱作用などで身体があたたまることで臓器が働きやすくなります。
化学反応も低温よりも常温から高温のほうが反応が速やかに進むのと同じ理屈で深部体温が高くなると体内での毒素(化学物質)の分解などもスムーズに行なえます。

また青色領域の可視光線には脂溶性ビリルビン(黄疸の原因になる物質)を水溶性ビリルビンへと変化させる作用があります。
水溶性になれば尿として溶かし出して排出することができますので、黄疸の改善に役立ちます。
新生児重症黄疸の予防と治療に医療現場でも光線療法が活躍しています。
(医療現場ではカーボンアーク灯ではなく、蛍光灯のような形をした機器で可視光線を当てています。)

 

コレステロール低下作用

光線療法では脂質代謝ちゃ肝臓の働きを改善し、細胞へのコレステロールの取り込みを促進することで血液中の余分なコレステロールを減らすことがわかっています。
また光線を当てることで、7-デヒドロコレステロールが皮膚表面でビタミンDへと変換するので、より血中コレステロールの低下に寄与することがわかっていますよ。

 

消痒作用

痒いってひどいですよね。
拷問にも使用されるほど痒みというのは人間に取って耐え難いものです。

アトピー性皮膚炎などでは痒みと言うのは辛い症状の一つですよね。
日光浴や光線療法では炎症を抑える効果や、免疫を正常にする効果が期待できるため、痒みも抑えられることが報告されています。
皮膚病だけでなく、糖尿病や腎臓病、肝臓病などに伴う痒みにも効果が確認されています。

 

利尿作用

腎臓は血液中の余分な水分だけじゃなく、老廃物や毒素の一部も濾し取って体外へ排出する大切な臓器です。

腎臓は冷えに弱いと言われており、身体があたたまることで働きが良くなることが知られています。

日光浴や光線療法では血液循環が改善されますので、腎臓に送られる血液量も増えるため、毒素や余分な水分を濾し出す機会も増えます。
また深部温熱作用によりぽかぽかと温まることで腎臓がより正常に働きやすくなります。

 

筋力・運動機能向上作用

https://www.irasutoya.com/2016/01/blog-post_99.html

昨今の日本人は運動不足が問題になっていますよね。

運動をしたくないのではなく、膝や腰に痛みがあるから動けないという方も多いと思います。

光線療法では光と温熱作用により筋肉への血液循環が良くなるだけじゃなく、鎮痛・消炎作用により痛みのある関節や筋肉なども改善されてきます。

また日光や光線を浴びることでビタミンDが産生されることで骨が丈夫になるだけじゃなく、最近の研究では筋肉増強作用やからだの動揺抑制作用がわかってきています。
より身体を動かしやすくなるということですね。

身体を動かすこと(運動)ができれば、その分筋肉もついてきますので、より健康的な生活がきたいできますね。

もちろん光線療法を受けるだけでは不十分で、痛みや不調が抑えられているうちに運動をすることが大切です。
残念ながら筋肉は自分で動かさないとつかないですからね。

 

呼吸機能改善

https://www.irasutoya.com/2013/08/blog-post_5218.html

光線を胸や背中に当てることで、呼吸に関する筋肉も緩み、光と温熱作用によって血液循環もよくなりますので、酸素を取り込めるようになります。

また可視光線を吸収した赤血球は酸素運搬能力が高まることがわかっています。
血流改善と相まってより酸素を全身に供給することができるようになります。

 

神経機能改善

神経機能も血流が改善したことにより改善されていきます。

損傷した末梢神経を修復するにはもちろん材料が必要です。
材料を運ぶのは血流ですよね?
そして冷え性の方をイメージするとわかりやすいですが、冷え性の方は手足の先から冷たくなっていますよね?
冷たいということは血液循環が悪いということです。

光線療法では光線を当てたところに血液が集まってくるという効果がありますので神経機能が悪くなっている抹消部に光線を当てて血液循環を改善することで、末梢神経の回復をスムーズにすることが期待されます。

結果として、末梢神経障害による手足のしびれや痛みの改善に有効です。

 

睡眠改善

https://www.irasutoya.com/2018/11/blog-post_535.html

不眠症の原因の一つに脳の充血や心身の緊張によるもの、身体の冷えからくるものがあります。
光線療法では血液循環を正常にする作用がありますので、脳に血液が集まっている状態を改善してくれますし、温熱作用により身体がぽかぽかすることで緊張もほぐれ、冷えも改善してきますので、睡眠の質が改善されてきます。

実際に光線療法を受けている方からは、夜よく眠れるという感想を聞くことが多いです。

 

食欲・便通改善

https://www.irasutoya.com/2014/06/blog-post_1370.html

光線療法により、皮膚や内臓の血行改善とヒスタミンなどの光産生物質の作用により消化液の分泌促進や消化器の働きが改善することで食欲が改善され、また大腸の働きも活発になり便通も改善されていきます。

とくに便通や内蔵の働きを改善したい場合は肛門周辺に光線をあてることをおすすめします。
普段日光が当たらない場所に当てることで効果を引き出しやすくするだけじゃなく、肛門は大腸の出口でありますので、大腸への作用が出やすいです。
カーボンアーク灯をお持ちでない方も天気の良い日に誰もいない窓際などでお尻を日光浴させるとよいですよ。
(いぼ痔などにも効果的ですよ。殺菌作用と血流改善作用で落ち着いてきますよ。)

 

光線療法は太陽の恵みを受け取る療法です。

Jill WellingtonによるPixabayからの画像

このように光線療法には様々な作用や効能があります。

デメリットとしては、「日焼け」をすることです。
とくに紫外線を多く出すカーボンを使用すると光線が当たった(円形状)に日焼けを起こすことがあります。
色白で日焼けをしにくいタイプの人では赤くなることがありますね。
また長時間同じ場所に当てますと日焼けから痒くなったり、チクチクしたりすることもあります。
このあたりは日差しが強い日に日焼け止めを塗らずに炎天下にいると起こる症状と同じような感じですね。

ですので場合によってシミになることも考えられますので、特に症状がない場合は顔には当てないことが多いです。

基本的に足裏やふくらはぎ、スネ、膝裏、、お腹や腰、背中に当てます。

 

光線療法のメリットは、上記の作用はもちろんのこと、天気や時間帯に左右されずにいつでもどこでも浴びることができることですね。

特に個人的におすすめな肛門周辺への光線照射は人前ではできないですから、カーボンアーク灯を活用して一人で浴びていますよ。
全身がぽかぽかしてきて眠くなりますよ。

そんな太陽の恵みをお手軽に活用できるのが光線療法というわけです。

タイトルとURLをコピーしました